判例タイムズ2月号
判例タイムズ2月号に少し面白い裁判例が載っていたので,ご紹介を。
事案は,ダイヤモンド原石を密輸したと思ったら,実は覚せい剤だったというもので,
覚せい剤取締法違反及び関税法違反で起訴されたというものです。
裁判例では,覚せい剤の輸入罪と貨物の無許可輸入罪(ダイヤモンドの原石
の輸入には税関長の許可が必要らしいです。)の犯罪構成要件は後者の限度で重なり合っている
として,訴因変更を要せず,無許可輸入罪が成立するとしました。
似た事案として,覚せい剤だと思って麻薬を輸入した場合には,
覚せい剤を輸入する罪が成立するとの判例があります。
これについては麻薬と覚せい剤が重なりあっているとの判断には
あまり違和感を感じなかったのですが,
覚せい剤とダイヤモンドの原石だとだいぶ違和感があります。
ただ,どちらも輸入が禁止されている点で重なり合っているといわれると,
確かになあ,とも思いました。