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仮執行宣言付支払督促と時効について

仮執行宣言付支払督促には,既判力がありません。

これは,いったん支払督促が確定したとしても,

その後,裁判等で確定した内容が誤っているなどとして争うことができるということを意味しています。

ただ,確定すれば債務名義となり執行力が生じるので,差押等ができるようになります。

ですので,仮失効宣言付支払督促を行う意味というのは十分あります。

 

時効との関係では,仮執行宣言付支払督促は中断事由とされています。

そのため,時効完成前に仮執行宣言付支払督促がなされた場合は,時効は中断し,

その確定の時から10年が経過しないと時効にならないことになります。

ただ,既に時効期間経過後に仮失効宣言付支払督促をしても,

既判力がないので,事後的に時効の援用はできてしまいそうです。

ただ,その場合民法174条の2との関係が気になるところではありますね。