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個人再生における債務額の決め方

だんだん寒くなってきましたね。

今回は,確認の意味も込めて,個人再生の場合の債務額の決め方についてまとめてみました。

 

 小規模個人再生の場合,支払う必要がある金額は,債務額もしくは財産の総額によって,給与所得者等個人再生の場合,支払う必要 がある金額は,債務額もしくは財産の金額,可処分所得の総額の金額によって決まります。

 小規模個人再生,給与所得者等個人再生のいずれの場合も,債務額が基準となる場合があります。

 また,いずれの手続きの場合も住宅ローン等を除いた債務額の合計額が5000万円を超える場合には,利用することができません。

 それでは,その債務額はどのように決まることになるのでしょうか。

 個人再生の手続きでは,通常の民事再生の手続きと異なり,債権者一覧表の提出が義務付けられています。

 また,個人再生では,債権者からの債権の届出が必須のものとはされておらず,債権者からの届出がない場合には,債権者一覧表記載のとおりの債権の届出があったものとされます(民事再生法225条,同244条)。

 債権の届出がなされた場合や,債権の届出がなされず,債権者一覧表記載のとおりの債権の届出があったとみなされた場合,個人再生を行う債務者や,他の債権者から異議の申出がなされない場合は,その内容で,個人再生の手続上は債務額等が確定します。

 個人再生を行う債務者や,他の債権者から異議の申出がなされた場合には,債権評価の手続きを経ることになります。

 異議の申出がなされた債権が判決等の債務名義を有している場合には,異議を出した側が,異議の申出がなされた債権が判決等の債務名義を有していない場合には,異議を出された側が,3週間以内に評価の申立をする必要があります。

 評価の申立がなされると、裁判所が個人再生委員の調査・意見聴取を経て,当該債権の存否や額等を定め,個人再生の手続上は,この金額で確定します。

 この債権評価の手続きは,不服申立てができない簡易な手続きになります。個人再生の場合,最終的にもこのような簡易な手続きによって債権額等が決まるため,その債権額等については,個人再生の手続内でしか効力を持たないことになります。

 個人再生をお考えの方は,ぜひ,弁護士法人心にご相談ください。