過払金の利息
1 過払い金には,ほとんどの場合,年5%の利息がつきます。
過払い金返還請求権は,払う義務がないのに支払いをしたものの返還を請求するものになりますので,法律上は,不当利得返還請求権と呼ばれるものになります。
この不当利得返還請求権には,相手方が,法律上の原因がなく支払われたものであることを知っていた場合には,年5%(ただし、令和2年4月1日以降に発生した部分については年3%、令和5年2月18日現在)の利息を付けて返還する義務が生じます。
そのため,過払い金を受け取っていた貸金業者等が,過払い金が発生していることを知りながら支払いを受けていた場合は,払いすぎた金額だけでなく,それに年5%の利息を付けて返還しなければならないことになります。
2 ほとんどの場合年5%の利息は認められます。
昔は,貸金業法のみなし弁済という規定があり,厳格な要件を順守していた場合には,年29%まで払った部分については,受け取ることができると規定されていました。
しかし,ほぼすべての貸金業者やクレジット会社は,この厳格な要件を順守していませんでした。
そのため,現在では,このみなし弁済が認められることはまずありません。
そして,最高裁判所は,年5%の利息を付さなくてよい場合,すなわち,貸金業者等がみなし弁済が認められると信じていたと認められるためには,みなし弁済が適用されると信じたことについて「特段の事情」がある必要があると判断しました。
平成29年3月31日時点において,この「特段の事情」が認められることはまずないと言えます。
そのため,過払い金返還請求においては,ほぼ全ての場合において,年5%の利息を付して請求することができます。
3 注意すべき点
ただ,貸金業者等は,過払い金自体は返還するとしても,年5%利息の部分については払わないと主張してくることが多いです。
そのため,過払い金返還請求を受ける弁護士等についても,貸金業者等ともめることを嫌がり,依頼者に年5%の利息の存在自体を伝えないところもあるようです。
そのため,過払い金の金額を伝えられたときは,5%の利息分も含まれている金額かどうか,必ず確認しましょう。
4 まとめ
過払い金は年5%の利息を付けて返してもらえます。
ただし,この部分も含めてきっちり返還してもらおうとすると争いになり,裁判等になることもあります。
ただ,裁判等になれば,ほとんどの場合,年5%の利息も認められることになります。
場合によっては,返済した金額以上の金額を回収することもあります。
弁護士法人心では,裁判すべきかどうかについてはもちろんアドバイス等させていただいておりますが,基本的には,依頼者様とご相談させていただき,方針を立てさせていただいております。
過払い金について気になる点等ありましたら、まずは弁護士法人心にご相談ください。
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