NHK受信料の時効の起算点
今年も残すところ、今日を含めてあと3日になりました。
弁護士業は,どちらかというと年末年始は時間ができることが多いのですが,今年はいつも以上に忙しかったです。
また,2017年をまとめる記事でも書こうかと思い,2017年のニュースとかを見直していたのですが,トランプ大統領の就任が今年の1月だったんですね。
もう,だいぶ前のことのような気がします。
さて,今月最高裁で,NHKの受信料について合憲と判断した判決がでました。
合憲とはなるだろうなとおもっていたので,その点に驚きはないのですが,ちょっと変わっているなと思ったのは,
⑴ 意思表示を命じる判決によって受信契約が成立する。
⑵ 受信契約の成立により,テレビ等の受信設備を設置した時からの受信料支払義務が発生する。
⑶ 受信料支払義務の起算点は,受信契約の成立時
と判断した点です。
契約をしないことによって受信料の支払義務を免れる人が生じないように,テレビを設置した後は,契約が成立する前の分についても受信料を請求することができるとした点は理解できるのですが,
過去にさかのぼって受信料の支払義務が発生するという契約を締結するということになるので,少し不思議な気がします。
そして,過去の受信料の支払義務も契約の成立により発生するとしたことにより,時効の起算点も契約成立時と判断しています。
これによって,逆からいうと,NHKの受信料は,契約を締結しない限りは,時効により消滅しないということになります(そもそも,発生していないので,消滅するわけがないということだと思います)。
この判決,裁判等によって強制的に契約を締結することになった場合,その内容がどのようなものになるのかという点について,いろいろと示唆が多いものだと思います。