経営者保証ガイドラインの続き②
経営者保証ガイドラインを利用して債務整理を行うメリットとしては以下の点が挙げられます。
① 代表者については、破産手続きをとる必要がないこと。
② 信用情報、いわゆるブラックリストに登録されることがなく、ローンを組んだり、クレジットカードを使い続けることもできること。
③ 債権者との合意によって、破産した場合の99万円以下という自由財産に加えて、一定の資産を残せる可能性があること。
④ 個人の債務についてはそのまま支払っていくことができるので、住宅ローン等も支払いを継続することができ、特にオーバーローンになっているなど価値が低い場合には、住宅ローン以外に担保にいれていなければ、住宅を残せる可能性も高いこと。
ただ、経営者保証ガイドラインの適用を受けるためには、主債務者や保証人が誠実に弁済してきたこと、負債を含む財産状況を適時適切に開示してきたこと、債務者に破産の場合の免責不許可事由がないことが必要です。
また、②についてですが、自由財産の枠を超えてのこすことができる資産をインセンティブ資産というのですが、これは文字通り、早期に廃業し、債権者への配分を多くすることのインセンティブのために認められています。
そのため、インセンティブ資産が認められるためには、早期に破産等に着手したことにより、資産の散逸、劣化を防ぎ、将来破産した時と比べて債権者の回収可能額が増加したといえることが必要です。
したがって、経営者保証ガイドラインを利用して債務整理を行うためには、早期に、弁護士等の専門家に相談することが必要になります。
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