給与所得者再生
個人再生には小規模個人再生と給与所得者等再生があります。
給与所得者等再生の場合,債権者の債権額及び債権者数の過半数の同意がなくとも手続きを進められるというメリットがありますが,小規模個人再生の場合に支払う金額よりも可処分所得の2年分の金額の方が大きければ,その金額を支払う必要があります。
したがって,小規模個人再生の手続きよりも,債権者に支払う金額が大きくなる可能性があります。
では,可処分所得の2年分の金額とはどのように決まるのでしょうか。
可処分所得とは,収入から,生活保護費等の算定に使われる政令によって定められた最低生活費を控除した金額となります。
具体的には,2年分の収入から各2年分の所得税,住民税,社会保険料を差し引いた金額を2で割って,そこから1年分の最低生活費を控除した金額を2倍することにより算出します。
なお,再生計画案提出前の2年前に5分の1以上の収入の変動があった場合や再生計画案提出前2年間の途中で給与所得者等再生の利用適格者(給与等の定期的な収入を得る見込みがある者であって,かつ,その額の変動の幅が小さいとみこまれる者)となった場合には,収入額の変動があった時又は給与所得者になった時から再生計画案提出時までの収入を1年当たりの金額に換算した額を可処分所得を計算する上での基準とすることになります。
ただし,給与所得者等の利用適格者は給与等の定期的な収入を得る見込みがあり,かつ,その額の変動の幅が小さいと見込まれる必要があるので,過去2年以内に5分の1以上の収入の変動がある場合や,給与所得者となってからの期間が短い場合には,給与所得者等再生の利用適格者とみなされず,給与所得者等再生の手続きを行うことができない可能性もあります。
具体的に,給与所得者等再生になった場合,いくら払わないといけないかは,個別の事情を伺わないとわからないところがあります。
給与所得者等再生をお考えの方は,まずは弁護士にご相談ください。
弁護士法人心は,この度,四日市にも事務所ができました。
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家族に知られずに過払金返還請求をする方法
過払い金返還請求を当法人にご依頼いただければ,ほとんどの場合,家族や勤務先に知られることなく行うことが可能です。
まず,過払い金返還請求を弁護士に依頼した場合,貸金業者等に対して,受任通知を送ることになります。
ここには,貸金業者等に対して,今後の連絡は弁護士に行う旨の依頼と,本人やその家族に連絡した場合には,損害賠償請求等を行う旨が記載されています。
このような通知を送った場合,弁護士ではなく,貸金業者等からご依頼いただいたご本人に直接連絡がなされることは,ほぼありません。
裁判等を起こす場合も,裁判所に対して連絡先を当法人に指定しますので,裁判所から連絡が来ることもありません。
したがって,過払い金返還請求を進めていくためのやり取りは当法人とのやり取りに限定されることになります。
そして,当法人とのやり取りについては,携帯電話への連絡や,メール等でのやり取りに限定し,書類等についても,郵送で送らず,事務所にお越しいただいて直接書類をお渡しするような形で進めていくことも可能です。
そのため,ご家族等に過払い金返還請求をしていることを知られるような契機はほぼないことになります。
なお,貸金業者等によっては,過払い金の減額や分割での支払いを求めて裁判所に対して調停の申し立てを行う場合もあります。
この場合は,裁判所も当法人が代理人についている事実を知らないため,ご本人に直接裁判所からの書類が送達されてしまうことがあります。
また,裁判等によって過払い金が確定した場合に,郵送小為替等により,過払い金を直接送りつけてくる貸金業者等もいます。
この場合には,書類がご自宅等に送られてしまい,ご家族に過払い金返還請求をしていることを知られてしまう可能性があります。
ただし,このような対応をしてくる業者はごく少数で,かつ,特定されていますので,ご相談された際に,お伝えさせていただいております。
過払い金請求を考えてはいるが,ご家族には知られないようにしたいと考えておられる方は,まずは弁護士法人心にご相談ください。
破産と退職金
破産とは,簡単に言うと,財産をすべて売却する等してお金に換えて,それを各債権者に平等に分配した上で,それでも残ってしまった借金等の債務を免除するという一連の手続きになります。
皆さんは,財産というとなにを思い浮かべますでしょうか。
土地等の不動産,預金,自動車等は,すぐに思い浮かぶと思いますが,破産手続きにおいては,普段,財産としては意識しないようなものも財産として扱われることになります。
その典型例が退職金です。
退職金は,賃金の後払いとしての性格を有するので,破産手続開始時の退職金債権は,破産前の労働の対価と考えられます。
そのため,破産前に働いていた分の対価が,退職時に払われるにすぎないことになるので,破産手続開始時にやめた場合にもらえることになる退職金は破産手続きにおいては財産として扱われることになります。
ただし,退職金はその4分の3が差押禁止債権とされています。
また,将来支給されるかどうか不確実な部分もあるため,定年まである程度期間がある場合には,そのことも考慮され,差押禁止とならない4分の1のさらに半分,8分の1の範囲が破産手続きで換価の対象となる財産となります。
しかし,破産者に退職を強いるのは相当でないと考えられているので,実際には,破産者の自由財産(生活等の必要性から,お金に換える必要がないとされる財産)から,退職金の8分の1相当額を支出させ,それを配当等に回すという手続きが取られることが多いです。
ただ,退職金の金額が自由財産の範囲(原則100万円)を超えるような場合は,上記のような取扱いをすることが難しくなります。
そのため,そのような場合で,かつ,仕事を辞める予定がない場合には,破産ではなく,個人再生等別の手続きを取ることを検討することになります。
また,破産手続開始から手続終結までの間に実際に退職した場合は,原則として退職金の4分の1相当額が配当等に回されることになります。
このように退職金は,破産手続きにおいては財産として扱われることになります。そのため,破産手続開始申立をするためには,裁判所に退職金額等を明らかにするため,勤務先の退職金規程や退職金額の証明書を提出する必要があります。
以上が,自己破産の場合の退職金の取り扱いとなります。
自己破産を考えている方で,退職金がある方は,そのことを弁護士に伝えて,対処法を検討する必要があります。
名古屋や,その近郊で自己破産を考えておられる方は,ぜひ,弁護士法人心にご相談ください。
また,弁護士法人心はこの度,四日市にも事務所ができましたので,よろしくお願いいたします。
任意整理と弁護士費用の積立
任意整理とは,弁護士が貸金業者やクレジットカード業者,銀行等とのあだに入り,個別に分割での支払いを交渉し,利息をカットしたり,毎月の返済額等を減少させたりして,借金等を継続的に返済していくことを可能にする手続きになります。
任意整理を弁護士に依頼すると,いったん支払いを停止して,債務額を確定することになります。
そして,その確定した債務額を元に分割での支払いを交渉していき,合意に達し,和解したところから,再度支払いをスタートさせていくことになります。
そのため,任意整理を依頼すると,毎月の支払いを一旦支払わなくてよくなり,その後,和解がまとまった時以降に支払いを進めていくことになるので,貸金業者やクレジットカード業者,銀行等に対して,支払いをしなくてもすむ期間が生じることになります。
通常,この期間等に,毎月決まった金額を支払っていただき,報酬等を積み立てていただくことが多いです。
この積み立ての金額は,任意整理を依頼した貸金業者,クレジットカード業者,銀行等との和解した場合に支払っていく金額等を基準に決めることになります。
これにより,毎月の積立が行えるかどうかをみることにより,実際に貸金業者,クレジットカード業者,銀行等と和解した場合に,支払っていくことが可能かどうか判断することになります。
任意整理をご依頼前ですと,借り入れと返済を繰り返したり,生活費等をクレジットカードの利用で賄っていることも多く,実際に,生活にどの程度の費用が掛かり,毎月いくら払っていけるか分からなくなってしまっている場合も多いです。
そのため,貸金業者,クレジットカード業者,銀行等への支払いを止め,かつ,借り入れやクレジットカードの利用がない状態で,積み立てを行うことにより,実際に支払うことができる金額を判断することになります。
もし,その金額が支払っていくことができないのであれば,再度,任意整理だけでなく,自己破産や個人再生も視野に入れ,方針等を相談していくことになります。
このように,任意整理の場合の積み立ては,報酬を支払う以外にも,支払可能額を判断するという意味もあります。
さらに詳しく任意整理についてお知りになりたい方は,弁護士法人心までご連絡ください。
住宅を手放す場合の個人再生。
1 個人再生
個人再生とは,債務が払えなくなった場合に,それを債務額や財産の総額等に応じて減額し,それを原則3年間で支払っていく手続きになります。
住宅ローンについては,個人再生の場合には住宅資金特別条項を定め,抵当権の実行等を回避することができますが,これを定めず,住宅を手放すことを前提に個人再生を行うこともできます。
2 5000万円の要件
個人再生では,負債総額が5000万円を超えないことが手続きの要件となっていますが,住宅資金特別条項を定めない場合でも,住宅資金貸付債権はその全額が5000万円の要件の計算からは除外されるので,多額の住宅ローンが残っている場合であっても,それ以外の債務額で5000万円を超えなければ個人再生を利用することはできます。
3 保証会社が代位弁済をしている場合
ただ,住宅ローンの支払いができず,保証会社が代位弁済をしてしまっているような場合には,保証会社の求償権は住宅資金貸付債権ではないため,競売等によって弁済が受けられる見込額を除いた金額とそれ以外の債務額が5000万円を超える場合には,個人再生をすることはできないことになります。
4 既に住宅の所有権を失ってしまっている場合
また,すでに住宅の所有権を失ってしまっている場合も,残った住宅ローンは住宅資金貸付債権ではないため,その金額とそれ以外の債務額が5000万円を超える場合には,個人再生をすることはできないことになります。
5 支払い総額
住宅ローンの競売等により弁済を受けることができない金額も総債務額に含まれることになると,総債務額が大きくなり,個人再生をした場合の毎月の返済額も大きくなることが予想されます。
そのため,その金額を今後3年から5年間で支払っていくことができるかも慎重に検討する必要があります。
ただし,住宅ローンに保証会社がついていて,かつ,保証会社が抵当権者の場合には,保証会社への代位弁済前に認可決定が得られる場合であれば,弁済額が非常に少なくなる場合もあります。
詳しくは,弁護士にご相談ください。
弁護士法人心では,個人再生等の債務整理の相談は無料で承っております。まずは,お気軽にご連絡ください。
小規模個人再生の最低弁済額
今回は,小規模個人再生の最低弁済額について説明しようと思います。
1 最低弁済額
小規模個人再生では,再生計画を作成し,その内容に従って支払いをしていくことになります。
小規模個人再生の再生計画によって支払う金額は,最低弁済額以上である必要があります。
最低弁済額は,
- 基準債権総額による計算,
- 清算価値
により決まります。
2 基準債権総額による計算
個人再生では,債務の総額(住宅資金特別条項を定める場合は,住宅ローンを除いた額)から,一定の割合については,最低限支払いをする必要があります。
具体的には,
100万円未満の場合 債務の総額
100万円以上から500万円以下の場合 100万円
500万円以上から1500万円以下の場合 債務の総額の5分の1
1500万円以上から3000万円以下の場合 300万円
3000万円以上から5000万円以下の場合 債務の総額の10分の1
となります。
この金額は,最低限支払う必要があります。
3 清算価値
清算価値とは,簡単に言うと,破産した場合に債権者への支払いに充てられる配当額のことです。
個人再生では,破産した場合より債権者が高率の配当を受けられるよう,最低限度額は,清算価値以上である必要があるとされています。
そのため,財産等がある場合,住宅ローンがいわゆるオーバーローンの状態になっていない場合には,上記の基準債権総額によって計算した以上の額を支払っていく必要が生じる可能性があります。
4 まとめ
以上,2つの計算された金額のうち,もっとも大きい金額が最低弁済額となります。
個人再生では,この金額を原則3年,場合によって5年間で支払っていくことになります。
詳しくは,弁護士にご相談ください。
弁護士法人心では,債務整理の相談については相談料は無料になります。
お気軽にご連絡ください。
個人再生と離婚
1 個人再生と離婚
個人再生をする際に,離婚すること自体が問題になることはありません。
しかし,離婚に付随する財産分与や慰謝料の支払い,養育費の支払い等については,内容によっては個人再生を行うことが難しくなることもあります。
また,離婚することによって,家を出ることになるような場合は,住宅資金貸付条項を利用することができなくなる可能性があります。
2 離婚に伴う財産分与と個人再生
離婚によって財産分与を伴う場合,それが民法768条3項の規定の趣旨に反して不相当に過大,過少である場合には,財産が離婚した相手方にある場合であっても,清算価値に組み込まれてしまう可能性もあります。
3 離婚に伴う慰謝料請求権
離婚によって慰謝料請求権が発生している場合,個人再生をする側が請求権者である場合には,相手方からの回収可能性にもよりますが,原則としては清算価値に組み込まれ,個人再生によって支払うべき弁済額が増える可能性があります。
また,個人再生をする側が債務者の場合,非減免債権であれば,債権者が増えるだけになりますが,非減免債権であれば,再生計画履行後に残額を返済できる見込みがあるかどうかが問題になり,そのような見込みがないと判断されると,個人再生自体ができなくなってしまう可能性があります。
4 離婚に伴う養育費
離婚することによって養育費等が支払いが合意されることがあります。
養育費をもらう側が個人再生をする場合,収入が増えることになり,履行可能性が認められやすくなる可能性があります。
一方,養育費等の支払義務者が個人再生を行う場合には,養育費等の支払いと個人再生の再生計画に基づく支払いを並行して行っていくことができるかどうかが履行可能性の判断として問題になります。
仮に離婚時には,養育費について決まっていなかったとしても,再生申立と離婚の時期が近く,未成年の子がいるような場合には,今後,養育費等の請求がされない見込みであること,もしくは,仮に請求されたとしても再生計画に基づく支払いと並行して支払っていくことができることを裁判所に示す必要があります。
5 離婚に伴う転居
住宅資金貸付条項を利用し,住宅ローンの支払いを継続するためには,当該住宅に住んでいること,将来住む予定があることが必要になります。
そのため,離婚に伴い,住宅ローンの抵当権が付している住宅から転居することになるような場合には,個人再生をしても住宅が残せなくなってしまう可能性があります。
6 まとめ
以上が,個人再生を依頼した後に離婚をする場合の問題点となります。
ただ,これはあくまで一般的な話になりますので,問題となるような場合は以上にとどまるものではありません。
個人再生を考えておられる方は,弁護士にご相談ください。
家族に知られずに債務整理をする方法
今年ももうすぐ終わりです。
さて,よく家族に知られずに債務整理をしたいということを希望される方は多いです。
ただ,ご家族等に知られずに債務整理をすることができるかどうかは,手続きによって変わってきます。
任意整理であれば,ご家族に知られずに債務整理を行うことができる場合がほとんどです。
まず,債務整理を受任した場合,弁護士から各債権者に受任通知を送ることになります。
そこに,今後の連絡はすべて弁護士に,ご本人やご家族には連絡しない旨記載します。
このような受任通知が送られてきた場合,銀行,消費者金融会社やクレジットカード会社であれば,まず,直接ご本人やご自宅に電話・手紙等で連絡することはなくなります。
そのため,通常であれば,ご家族等に知られる契機は,まず,存在しません。
しかし,債権者が個人の方の場合は,直接ご自宅や,ご家族に連絡してくる可能性がないわけではありません。
また,銀行,消費者金融会社やクレジットカード会社であっても,裁判等してくる場合は,裁判所からの連絡は,はじめはご自宅に郵送されることになるので,一部の業者が債権者となるような場合は,ご自宅に書類等が届く可能性があります。
ただ,そういった可能性がある業者については,当事務所でも把握しておりますので,ご相談の段階で,そのような危険性の有無についてはお伝えできます。
破産や個人再生の場合にも,任意整理と同様,上記のように,債権者によっては,直接もしくは裁判所を介して,ご自宅に連絡がなされる可能性がないわけではありません。
また,任意整理の場合と異なり,家計の状況(家計簿)や収入,財産状況等を示す書類を裁判所に提出する必要があるため,ご家族の協力が必要になる場合もあります。
ただ,ご家族の協力がなくともそのような書類を用意することができる場合もありますので,全く無理とはいえないのですが,難しいことも多いです。
当法人としても,そのようなご要望があり,かつ,知られずに進めていくことができる可能性がある場合には,できる限りご家族の方に知られないような方法で進めていくことができるよう,アドバイスさせていただいております。
以上のとおり,任意整理の場合は,ご家族の方に知られることなく手続きを進めることができる場合が多いですし,破産や個人再生の場合でも,ご依頼者様の状況によっては,ご家族の方に知られずに手続きを進めていくことが可能なこともあります。
過払金と時効2
1 過払い金と時効
前にも述べたように,過払金の時効は取引終了から10年というのが基本です。
2 途中で完済している場合
ただ,貸金業者等に過払い金返還請求をする場合,取引終了がどの時点かが問題になることがあります。
ほとんどの場合は,最後に返済した時なのですが,途中でいったん完済した後に再度借入れを行っている場合には,途中でいったん完済した時点で取引が終了しているのか,それとも再度借入れを行っているのだから,取引は終了しておらず,最後に返済したときに取引が終了しているのかが問題になります。
これは,いったん完済した時点が10年以上の前の場合,その時点で取引が終了していると判断されてしまうと,いったん完済するまでに発生した過払い金がすべて時効になってしまうことになるので,請求できる過払い金の金額が大きく変わることになります。
3 どのような場合に,取引が終了していると判断されるのか
いったん完済して,改めて契約をして再度借入れをした場合については,最高裁の判例があり,①いったん完済するまでの取引が続いた期間といったん完済してから再度借入れをするまでの期間の長さ,②いったん完済した際に契約書の返還を受けているか,③カードを利用して取引をしていた場合に,その失効手続きが行われているか,④いったん完済してから再度借入れをする際に貸金業者から勧誘等をされていないか,⑤改めて契約をする際の事情,⑥いったん完済した際の契約と改めて契約をした際の契約の利率等の契約条件の異同等を総合的に考慮して判断するとされています。
しかし,どのような要素を重視するかによって,結論がかわりうることから,取引の終了の有無を正確に判断することは非常に難しいといえます。
また,完済した時と同一の契約で取引をした場合には,また別の考慮要素が必要になります。
そのため,いったん完済した場合に取引が終了しているかどうかについては,まずは弁護士にご相談ください。
過払金と時効
ここでもなんどか話したことがあるかと思いますが,再度,過払金の時効についてまとめておこうと思います。
1 完済から10年
過払金の時効は,基本は完済した時から10年になります。
そのため,何10年前から借りたり返したりを繰り返していて,過払金が発生したのが10年以上前だったとしても,完済して,取引を終了させたのが10年以内であれば,取引期間中の過払金は全て時効にならないことになります。
2 例外
ただ,これは,カードを利用してリボルビング払い等で支払っているような場合,借りたり,返したりということが継続的に行われているような場合に限定されます。
そのため,一回,まとまった金額を借りて,以降は,それを返していくのみというような契約の場合や,業者が貸付を辞めてしまい,以降,返済のみしかできなくなったような場合は,過払金は,完済して取引を終了させた時ではなく,過払金が発生した時から10年でどんどん時効になっていってしまう可能性があります。
この場合,完済して取引を終了させてから10年以内だったとしても,過去10年の間に発生した過払金しか請求できない可能性があります。
ただ,一回,まとまった金額を借りて,以降,それを返していくのみというような契約だったとしても,何度も契約をしており,借り入れと返済が繰り返していたと評価できるような場合には,発生からではなく,取引終了から10年で時効になる可能性もあります。
そのため,取引終了から10年以内は大丈夫だからとおもわず,過払金が発生しているかどうか気になる方は,なるべく早めに弁護士に相談することをお勧めします。
3 時効の止め方
時効を止めるには,相手方に請求をする必要があります。
これは,訴えを提起する等の裁判上の請求でなく,請求書をおくるというような裁判外の請求であっても,そこから半年以内に訴えを提起すれば,時効にかかることを防ぐことができます。
過払金を回収するには時間がかかりますが,裁判外で請求することによっても一時的に時効を停めることはできますので,弁護士に頼んでも頼んでいる間に時効にかかってしまうのではないかといったことを心配する必要はありません。
4 まずはお気軽にご相談を。
弁護士法人心では,過払金返還請求に対する相談は相談料無料で承っております。
まずは,お気軽にご相談ください。